格安SIMの災害時の通信対策は?

格安SIMの災害時の通信対策は?

格安SIMでも、災害時に通信できなくなるとは限りません。多くの格安SIMは大手携帯会社の通信網を借りているため、基地局や回線が使える間は通常どおり通信できます。ただし、停電・基地局の故障・回線の混雑によって、通話やデータ通信がつながりにくくなることはあります。

対策の基本は、通信手段を一つに頼らないこと、通信を節約すること、平常時に準備しておくことです。

格安SIMは災害時に使える?

格安SIMの災害時の通信可否は、契約先の名前だけでなく、利用している回線の状況と端末の状態で決まります。格安SIMの会社が大手携帯会社の回線を利用していても、地域の基地局が停止していれば通信できません。

状況 通信への影響
基地局と端末が正常 格安SIMでも通話やデータ通信を使える可能性がある
利用者が集中している 通話やデータ通信が遅くなったり、つながりにくくなったりする
停電や基地局の故障 地域によって通信できなくなることがある
端末の電池切れ 回線が復旧していても通信できない

したがって、「格安SIMだから災害時は使えない」と決めつける必要はありません。一方で、通信障害の影響を受ける範囲や復旧時間は、回線設備、地域、契約会社によって異なります。

災害時に格安SIMで通信するための対策

1. モバイルバッテリーを準備する

災害時は、通信回線より先にスマートフォンの電池がなくなることがあります。モバイルバッテリーを普段から充電し、ケーブルと一緒にすぐ持ち出せる場所に置いておきましょう。

停電に備えるなら、モバイルバッテリー自体の残量確認も必要です。スマートフォンは低電力モードにし、画面の明るさを下げ、不要なアプリの通信やBluetoothを停止すると電池を節約できます。

2. 連絡手段を複数用意する

電話だけに頼らず、次のように複数の方法を準備しておくと、どれか一つが使えない場合にも対応しやすくなります。

  • 音声通話
  • SMS
  • メールやメッセージアプリ
  • 災害用伝言ダイヤル「171」
  • インターネット上の災害用伝言板
  • 避難所や自治体の掲示

家族や同居人とは、連絡が取れない場合の集合場所と、連絡する順番を決めておきましょう。安否確認のメッセージは「無事」「避難先」など短く送ると、通信量を抑えられます。

3. 災害用伝言サービスの使い方を確認する

大規模災害時には、被災地域への電話が集中してつながりにくくなることがあります。その場合は、何度も電話をかけ直すより、災害用伝言ダイヤル「171」や災害用伝言板を使う方法が適しています。

ただし、これらのサービスが利用できる時間や条件は災害の種類によって異なる場合があります。平常時に家族と使い方を確認し、電話番号や登録内容を決めておくと、緊急時に迷いにくくなります。

4. Wi-Fiを利用できる場所を確認する

携帯電話回線が混雑している場合、利用できるWi-Fiがあれば通信手段を切り替えられます。自治体や施設などで災害時に無料Wi-Fiが提供されることもありますが、提供場所、利用時間、接続条件はその地域や施設によって異なります。

「00000JAPAN」などの災害時無料Wi-Fiを利用する場合は、接続先が本物か確認してください。誰でも接続できるWi-Fiでは、通信内容を盗み見られるおそれがあるため、ネットバンキングやクレジットカード情報の入力は避け、HTTPSで保護されたサービスを使いましょう。

5. オフラインで使える情報を保存する

通信できない場合に備えて、次の情報をスマートフォンや紙に保存しておくと役立ちます。

  • 家族や勤務先の電話番号・住所
  • 自宅周辺と避難先の地図
  • 自治体の防災情報の確認方法
  • 持病や服用中の薬の情報
  • 交通機関や施設の連絡先

地図アプリのオフライン機能を使う場合は、通信できる平常時に対象地域をダウンロードしておきます。アプリによって保存方法や利用できる機能が異なるため、保存後に機内モードで表示できるか確認してください。

格安SIMの契約内容で確認しておくこと

災害時の備えとして、契約中の格安SIMについて次の点を確認しておきましょう。

  • 音声通話SIMか、データ通信専用SIMか
  • 音声通話、SMS、データ通信がそれぞれ利用できる契約か
  • 利用している回線の種類
  • 端末がその回線の周波数帯に対応しているか
  • 端末のSIMロックが解除されているか
  • 契約会社の障害情報を確認する方法
  • eSIMの場合、再発行に必要な手続き

データ通信専用SIMは、音声通話やSMSが使えない契約があります。緊急時の連絡手段を音声通話やSMSにも分散したい場合は、契約内容と端末の対応状況を事前に確認してください。

また、端末を買い替える場合は、対応する通信方式や周波数帯が現在のSIMと合っているかを確認します。SIMを差し替えれば必ず使えるとは限らず、APN設定などが必要な場合もあります。

災害時に通信を使うときの注意点

安否確認などで電話が集中すると、回線が混雑しやすくなります。不要な通話や動画視聴を控え、必要な連絡を短時間で行いましょう。

110番・119番・118番は、事件・事故・火災・救急など緊急性がある場合に使う番号です。通信できないからといって、緊急でない問い合わせに利用したり、何度も発信を繰り返したりしないでください。音声通話が使えない場合は、地域の案内に従い、近くの避難所や消防・警察の窓口など別の手段を探します。

なお、通信障害が起きているときに、SIMの抜き差しや設定変更を繰り返しても改善しないことがあります。まず、端末の再起動、機内モードのオン・オフ、電波状況の確認を行い、それでも使えない場合は回線障害や基地局の停止を疑います。

格安SIMの災害時対策で最初にすること

まず、モバイルバッテリーを準備し、家族との連絡方法と集合場所を決め、契約中のSIMで音声通話・SMS・データ通信が使えるか確認してください。

格安SIMは災害時に必ず使えないわけではありませんが、基地局の停止や回線混雑の影響は受けます。電話、SMS、災害用伝言サービス、Wi-Fi、紙の連絡先を組み合わせ、通信が一つに集中しないようにすることが重要です。