格安SIMとデュアルSIMの組み合わせは、「何を安くしたいか」と「通信障害に備えたいか」で選ぶのが基本です。通話用のSIMとデータ通信量の多いSIMを分ける方法や、異なる回線を組み合わせてつながりやすさを補う方法があります。
ただし、スマートフォンの対応方式、SIMの種類、音声通話の有無、月間データ量によって適した組み合わせは変わります。料金だけでなく、端末が2回線を同時に使えるかも確認して選びましょう。
格安SIMとデュアルSIMの組み合わせは目的で決める
まず、2枚のSIMにどの役割を持たせるかを決めると、候補を絞りやすくなります。
| 目的 | 基本の組み合わせ | 向いている人 |
|---|---|---|
| 月額料金を抑えたい | 音声SIM+安いデータSIM | 通話は少ないが、データ通信をよく使う人 |
| 通信障害に備えたい | 異なる回線の音声SIM+データSIM | 外出先や仕事で通信を止めたくない人 |
| 通話とデータを分けたい | 通話用SIM+大容量のデータSIM | 通話番号を維持しながらデータ量も確保したい人 |
| 仕事と個人を分けたい | 仕事用SIM+個人用SIM | 電話番号や請求を分けたい人 |
2回線を契約すると、月額料金は1回線より高くなることがあります。デュアルSIMは必ず安くなる仕組みではなく、必要な機能を2回線に分けて使うことで、料金や利便性を調整する方法です。
料金を抑えたい人は「音声SIM+データSIM」を比較する
データ通信を多く使う一方、電話番号を使った通話は少ない人は、音声SIMを通話用、データSIMを通信量の補助用に分ける方法が候補になります。
この組み合わせの使い方
- 音声通話用のSIMを、電話番号の発着信用に設定します。
- データ通信量が多い、または必要な月だけ使いやすいSIMをデータ通信の回線に設定します。
- スマートフォンの設定で、モバイルデータ通信に使うSIMを選びます。
- 通話、SMS、インターネット通信がそれぞれ希望どおりのSIMから行われるか確認します。
この方法では、データSIMで音声通話やSMSが使えるとは限りません。電話番号の維持、SMS認証、緊急時の発信などが必要なら、音声通話に対応したSIMを残しておく必要があります。
また、データ通信のSIMを変更しただけでは、通話用SIMの料金プランや通話料が変わるわけではありません。月額料金だけでなく、通話料、SMS送信料、追加データ料金も分けて確認しましょう。
通信障害への備えなら、異なる回線を組み合わせる
通信障害や電波状況への備えを重視するなら、同じ回線を使うSIM同士ではなく、異なる通信回線のSIMを組み合わせる方法が考えられます。
例えば、主回線を普段使いにし、別の回線を予備のデータ通信に設定します。主回線がつながりにくい場所で、端末の設定から予備回線へ切り替えられるようにしておく使い方です。
異なる回線を選ぶときの確認点
- 自宅、職場、通勤経路など、よく使う場所でそれぞれの回線がつながるか
- 端末が各回線の周波数帯に対応しているか
- 予備回線を使うときも、必要なデータ量を確保できるか
- 回線切り替えを端末の設定から行えるか
- 2回線を契約する費用が、予備として納得できる金額か
異なる会社のSIMであっても、同じ通信回線を利用している場合があります。そのため、会社名だけで判断せず、どの通信回線を使うサービスなのかを確認することが重要です。
なお、2回線を設定したからといって、常に通信速度が合算されるわけではありません。端末やサービスが対応していない限り、通常は選択した一方の回線をモバイルデータ通信に使います。
通話を重視するなら、音声SIMを主回線にする
電話番号での通話やSMSを確実に使いたい人は、音声通話に対応したSIMを主回線にするのが基本です。もう一方のSIMは、データ通信専用または予備回線として使います。
特に、次の用途がある場合は、データSIMだけに乗り換える前に確認が必要です。
- 現在の電話番号を引き継ぎたい
- SMS認証を利用するサービスがある
- 家族や勤務先から電話を受ける
- 音声通話の発信が必要になる
通話用SIMとデータ用SIMを分けると、発信時にどちらの番号を使うか迷うことがあります。端末の通話設定で、標準の音声回線を決めておくと誤発信を防ぎやすくなります。
端末がデュアルSIMに対応しているかを先に確認する
契約前に、利用するスマートフォンがデュアルSIMに対応しているか確認してください。デュアルSIM対応でも、SIMカード2枚を入れられる機種、SIMカードとeSIMを組み合わせる機種など、使える方式が異なります。
確認する項目
- SIMカードを2枚同時に使えるか
- SIMカードとeSIMの組み合わせに対応しているか
- 契約した2つの回線を同時に待ち受けできるか
- 音声通話中に、もう一方のSIMでデータ通信できるか
- 利用予定の通信回線に対応する周波数帯があるか
- SIMロックが残っていないか
「デュアルSIM対応」と書かれていても、2回線でできることは端末によって異なります。例えば、2回線の待ち受けには対応していても、通話中のもう一方の回線の動作やデータ通信の切り替えに制限がある場合があります。
端末の製品仕様や取扱説明書で、SIMの組み合わせと対応する機能を確認しましょう。中古端末を使う場合は、販売時の仕様だけでなく、現在の端末のSIMロック状態やOSの対応状況も確認が必要です。
SIMカードとeSIMの組み合わせは管理のしやすさで選ぶ
SIMカードとeSIMを組み合わせると、物理的なSIMカードを2枚入れられない端末でもデュアルSIMを使えることがあります。ただし、利用するサービスがeSIMを提供していること、端末がそのeSIMに対応していることが条件です。
| 組み合わせ | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| SIMカード+SIMカード | カードを差し替えて管理しやすい | 2枚同時に使える端末が必要 |
| SIMカード+eSIM | 物理カードを1枚に抑えられる | 端末とサービスのeSIM対応が必要 |
| eSIM+eSIM | カードの差し替えが不要な場合がある | 端末側の対応方式と設定を要確認 |
eSIMはオンラインで開通手続きを進められる場合がありますが、再発行や端末変更の手続きが必要になることもあります。申し込み前に、開通方法、再発行手数料、対応端末を確認してください。
デュアルSIMの組み合わせを決める手順
迷ったときは、次の順番で必要な回線と端末の条件を整理します。
- 月間のデータ使用量を確認する。スマートフォンの設定画面などで、動画、SNS、地図、テザリングなどにどの程度のデータを使っているか確認します。
- 電話番号を残す必要があるか決める。通話やSMS認証が必要なら、音声通話に対応したSIMを候補にします。
- 2回線目の目的を決める。料金削減、データ容量の追加、通信障害への備え、仕事と個人の分離のどれかを明確にします。
- 端末のSIM方式を確認する。SIMカード、eSIM、同時待ち受け、対応周波数帯を確認します。
- 2回線分の料金を合計する。月額基本料金だけでなく、通話料、SMS料金、追加データ料金、初期費用なども確認します。
- 主回線と予備回線を決める。普段使う回線、モバイルデータ通信に使う回線、通話時の発信回線を端末に設定します。
- 開通後に動作を確認する。発信、着信、SMS送受信、データ通信、回線の切り替えを実際に試します。
組み合わせを選ぶときに避けたい判断
「2回線あればどこでもつながる」「2回線なら通信速度が2倍になる」と考えて選ぶのは避けましょう。つながりやすさは、回線の種類だけでなく、場所、端末の対応状況、混雑、建物などにも左右されます。
また、安いデータSIMを追加しても、現在のプランに余ったデータ容量が多ければ、合計料金が高くなることがあります。まず現在のデータ使用量と料金を確認し、1回線のプラン変更だけで解決できないか比較してください。
乗り換え前には、次の点も確認しておくとトラブルを減らせます。
- 現在の電話番号を引き継ぐ場合の手続き
- メールアドレスを変更する必要があるか
- 最低利用期間や解約時の条件
- データ容量の繰り越しや追加購入の条件
- 通話料金と通話オプションの適用条件
- eSIMの再発行や端末変更の方法
迷った場合の選び方
料金を抑えたいなら、まず「通話用の音声SIM」と「データ通信を補うSIM」の組み合わせを検討します。通信障害やエリアの違いに備えたいなら、異なる通信回線を使う主回線と予備回線を比較します。
通話をほとんど使わず、1台の端末でデータ通信を中心に利用する場合は、2回線契約が本当に必要かも確認しましょう。現在の使用量に合う1回線のプランのほうが、設定や管理が簡単で、合計料金が安くなることがあります。
最初に、「通話番号を残すか」「毎月どれだけデータを使うか」「予備回線が必要か」の3点を決め、その後に端末のSIM対応状況と2回線分の総額を確認するのが、失敗しにくい選び方です。







