格安SIMでも、テザリングは多くの場合利用できます。ただし、利用できるかどうかは格安SIMの通信方式、契約プラン、端末の対応状況、APN設定などによって変わります。特に、SIMカードを差し替えただけではテザリングできないケースがあるため、接続できないときは順番に確認が必要です。
格安SIMのテザリングは追加料金なしで使えることが多い
テザリングとは、スマートフォンのモバイル通信を、パソコンやタブレットなどの別の機器に共有する機能です。格安SIMでは、テザリング機能そのものに追加料金がかからないプランが多く、スマートフォンの設定から有効にして利用します。
ただし、料金がかからない場合でも、テザリングで使ったデータ通信量は契約中の月間データ容量から消費されます。たとえば月20GBのプランでテザリングを10GB使うと、スマートフォン単体で使える残りの通信量は、ほかの通信分を差し引いて少なくなります。
テザリングが利用できるか決まる4つの条件
格安SIMでテザリングを使えるかどうかは、次の条件を満たしているかで判断できます。
- 契約している格安SIMの回線やプランがテザリングに対応している
- 使うスマートフォンがテザリングに対応している
- SIMカードやeSIMのAPN設定が正しく完了している
- テザリングを接続する機器がWi-Fiなどの接続方式に対応している
現在販売されている多くのスマートフォンはテザリングに対応していますが、古い端末や販売元が異なる端末では、通信方式や設定の違いによって利用できないことがあります。
回線やプランの対応状況
格安SIMのテザリング対応状況は、ドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線などの通信方式だけで一律に決まるわけではありません。同じ会社でも、プランや利用する端末によって条件が異なる場合があります。
契約前は、格安SIMの公式サイトで「テザリング」「動作確認端末」「対応端末」などの項目を確認してください。対応状況が明記されていない場合は、「記載がないから利用できる」とは判断せず、公式サポートや動作確認情報で確かめる必要があります。
端末の対応状況
SIMフリー端末や、利用する回線に対応したスマートフォンであれば、テザリングを使えることが多いです。一方、携帯電話会社で購入した端末を別の回線の格安SIMで使う場合は、端末の対応周波数帯やソフトウェアの仕様が影響することがあります。
端末を持ち込んで格安SIMを契約する場合は、契約前に端末名と型番を確認し、格安SIM側の動作確認端末一覧と照合しましょう。
APN設定
APNは、スマートフォンを格安SIMのデータ通信へ接続するための設定です。通常のインターネット通信ができていても、端末によってはテザリング時に別のAPN設定が必要になる場合があります。
Android端末では、格安SIMが案内するAPN情報を入力することで解決できることがあります。iPhoneでは、格安SIMが提供する構成プロファイルのインストールが必要な場合があります。設定方法はSIM会社と端末によって異なるため、契約先の案内に記載された手順を使ってください。
格安SIMでテザリングを使う方法
テザリングの基本的な使い方は、スマートフォンのテザリング機能をオンにし、接続したい機器からスマートフォンのネットワークを選ぶことです。表示される項目名は端末によって異なります。
- スマートフォンのモバイルデータ通信をオンにする。
- 設定画面から「テザリング」「インターネット共有」「モバイルホットスポット」などの項目を開く。
- Wi-Fiテザリングをオンにする。
- 表示されたネットワーク名とパスワードを確認する。
- パソコンやタブレットのWi-Fi設定で、そのネットワーク名を選ぶ。
- スマートフォンに表示されたパスワードを入力して接続する。
接続後は、テザリング元のスマートフォンで通信ができているか、接続した機器でウェブページなどを開けるかを確認します。使い終わったらテザリングをオフにすると、電池やデータ通信量の消費を抑えやすくなります。
テザリングの接続方法ごとの違い
スマートフォンのテザリングには、主にWi-Fi、Bluetooth、USBの3種類があります。それぞれ通信速度や使いやすさが異なります。
| 接続方法 | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| Wi-Fi | 複数の機器を接続しやすい。設定が簡単な一方、電池を消費しやすい | パソコンやタブレットを短時間接続する |
| Bluetooth | Wi-Fiより電池を消費しにくい。通信速度は低めになりやすい | メール確認や軽いウェブ閲覧をする |
| USB | ケーブル接続が必要。通信が安定しやすく、スマートフォンを充電できる場合がある | パソコンで長時間作業する |
動画視聴や大きなファイルの送受信など、通信量が多い使い方では、契約容量を早く消費する可能性があります。また、テザリング中はスマートフォンが発熱したり、電池の減りが速くなったりすることがあります。
格安SIMでテザリングできないときの確認順
テザリングができない場合は、次の順番で確認すると原因を切り分けやすくなります。
- モバイルデータ通信を確認する。Wi-Fiを切った状態で、スマートフォン単体のインターネット通信ができるか確認します。
- テザリング機能を入れ直す。テザリングをオフにしてから再度オンにし、接続する機器側のWi-Fiも入れ直します。
- ネットワーク名とパスワードを確認する。古いパスワードが保存されている場合は、接続先のネットワークを削除して再登録します。
- APN設定を確認する。格安SIMが指定するAPN情報と、端末に入力されている内容が一致しているか確認します。
- 端末を再起動する。通信設定が一時的に正常に反映されていない場合は、再起動で改善することがあります。
- 対応端末とプランを確認する。公式サイトの対応端末一覧やプランの注意事項で、テザリングの対象か確認します。
通常のデータ通信もできない場合は、テザリングではなく、APN設定、SIMの開通、通信障害、データ容量の上限などを確認します。通常の通信はできるのにテザリングだけ使えない場合は、端末固有の仕様やテザリング用のAPN設定が原因の可能性があります。
テザリング目的で格安SIMを選ぶときの確認ポイント
テザリングを頻繁に使うなら、料金だけでなく、次の項目を契約前に確認してください。
- テザリングの対応可否
- 利用する端末が動作確認済みか
- 月間データ容量と容量超過後の通信速度
- データ容量の追加購入や翌月への繰り越し条件
- テザリング利用時の制限や注意事項
- 自分が使う場所で利用する回線の通信エリア
テザリングでパソコンを毎日使う場合は、スマートフォン向けの小容量プランでは通信量が足りなくなることがあります。動画視聴、オンライン会議、OSの更新などはデータ通信量が大きくなりやすいため、必要な容量を見積もってからプランを選びましょう。
格安SIMのテザリングは条件を確認すれば利用できる
格安SIMのテザリングは、多くの場合利用できます。ただし、契約プラン、回線、端末、APN設定の組み合わせによって利用可否が変わるため、契約前に公式の対応端末情報を確認することが大切です。
まずは、使いたいスマートフォンの型番を確認し、契約予定の格安SIMの動作確認端末一覧と照合してください。接続できない場合は、モバイルデータ通信、APN設定、テザリング設定の順に確認すると、原因を判断しやすくなります。







